私は40代後半の男性会社員です。
妻は、自宅でピアノ教室を開いています。
昨年、土地売却で娘の留学費用を捻出しました。
娘は幼い頃より母親から音楽の手ほどきを受け、中学生になってからは本格的に声楽の勉強を始めました。
そして音楽大学に入学し、奮闘努力の結果コンクールに入賞して留学のチャンスに恵まれました。
しかし、学費の免除は受けられるにしても、留学するには何かと資金が必要です。
しっかり整った環境下で留学のチャンスを活かしてもらうために、生活費の心配はさせたくありません。
また、音楽を学ぶ上ではレッスンやコンサートの鑑賞、衣装代にも費用がかかります。
そこで、まとまった資金を用意するために、先祖から受け継いだ土地の一部を売却することにしました。
自宅近くの田園地帯にある一区画で昔は農地でしたが、農作業に従事していた私の母が亡くなって以来手付かずの状態になっていました。
老後の資金繰りのために、アパート経営にでも乗り出そうかと漠然と考えていたこともありました。
現在は所々開発が進み、住宅や商業施設がどんどん建てられている地帯です。
これからも発展が見込まれる地域のために売却の話はスムーズに進み、納得のいく価格で売却することができました。
娘の将来のためなら、先祖から受け継いだ土地を手放すことになっても悔いはありません。
資金ができたために、少々高くても安全な地域に練習環境も整った部屋を借りることができ、ピアノを入れることもできました。
今では、1日も早く娘が舞台に立てる日を待ち望み、家族みんなで応援する日々を送っています。